堂木沢山は、乱川が長年に渡り侵食し、その侵食で崩壊してきた山です。その崩壊に関連した地滑りで沼沢川を堰き止めてできたのが、沼沢沼とされています。残念ながら、この山の名称や関連する歴史については、調査不足です。今後調査したいと考えています。
3月27日午前の天気予報は山形県側は雪、宮城県側でも一時雪でしたが、当日は、宮城県側でも雪が舞う状態で、予報通りかと心配したのです。
ところが登り口の大滝ドライブインでは既に視界も良くなり、堂木沢山の頂上付近のみ
見えない状態まで回復しておりました。
堂木沢山頂上の反射板 |
気温は、関山トンネル付近の表示でー3℃、積雪は1~2mと推定され、前夜から5~10㎝の
新雪がありました。、雪質は、頂上までは殆ど同じ、軽い湿雪で、下りの稜線は風によりエビの
尻尾の様な状態、下山コースの800m以下は重い粗目状態でした。風は10m程度の西風が吹いていました。
ルートは1月17日と同様国道48号線関山の大滝ドライブインから乱川を渡りさらに堂木沢山から北北西に流れている沢を渡渉し乱川沿いの尾根を登り、777mの小ピーク、822mの小ピークwを通過し反射板が設置されている堂木沢山頂に至り、その後、西側の尾根を降り873mの小ピークから1月17日のコースを急降下して、登り口に至るものです。
登り口は大滝ドライブイン建物裏側。そこから乱川の大滝を見るため設けられた手摺り付き遊歩道を降ります。この歩道は乱川設置のトラス橋まで崖にジグザクに付けられていて、手摺りとほぼ同じ高さの積雪がありました。ただ転倒すると20m滑り乱川に落ちそうで、この日最も緊張の時間でした。
大滝が見られる乱川に架かるトラス橋 |
乱川に架かるトラス橋を渡り、さらに堂木沢山から流れてくる沢を渡って、直ぐ大滝を左手に見ながら手摺りを越え階段に積もった雪の上を登りました。
登りきった場所には小屋のある広場があります。まず、その前でワカンを装着しました。
装着後広場を歩き直ぐ雑木林の中に入ります。その後登り尾根に取り付きます。尾根は所々ヤセ尾根となることもありましたが、危険を感じるところはありません。
眼下に国道48号と船形連峰の山々 |
標高600m付近からは東側が開け、国道48号線と泥沢その奥に寒風山が見られました。そして標高777mの小ピークからは右手前に反射板が林の間に見られます。アップダウンを繰り返しながら822mの小ピークで昼食です。
頂上反射板を木々の間に見ながら登る |
頂上直下の急な登りでは、雑木の中に尖った頂きが白く輝かせている北面白山とその奥に大東岳が遠望できました。頂上に立つ2枚の反射板は予想より大きく8~10m四方の大きさでした。
頂上反射板前でメンバー |
登ってきた尾根と観音寺・沢渡り黒伏が |
その尾根からは村山盆地とその中を最上川が見渡せ、東側には先程登ってきた長い尾根が続いておりました。その尾根の端の867mの小ピークには1月に付けた赤布が残っておりました。
数分休憩して一時東に延びる尾根を下り、その途中で、西にトラバスします。その前に、安全性等を考慮して、ワカンをアイゼンに履き替えました。
アイゼンを付けトラバース |
トラバースは、斜面の角度と雪に状態を考慮しながら慎重に安全な立木のもとで待機しながら、1人づつ通過しました。その後、急斜面をさらに降りる段階で、講師の指示で太い立木確保支点とし、8mmのロープを繋ぎS先輩が先行し、その後メンバーが続くことで、時間は要したものの安全に下山できました。
ロープで安全確保 |
参加者はY講師(5回参加3回登頂天気不良)、S先輩(過去2回登頂できず)、Kさん(1月参加)、Mさん、k氏、Sさん、Oさん、筆者(1月参加未登頂)の8名
コースタイム
大滝ドライブイン8:00発 → 8:12トラス橋→ 8:21渡渉→ 小屋前ワカン着装8:30→
尾根取り付き8:40 →小ピーク777m10:48→小ピーク831m11:22着 昼食11:35発
→12:41着 頂上 12:58発→13:37着小ピーク867m13:48発→13:54着823mワカンからアイゼンへ
14:03発→14:41着 トラバース 14:52待機アンザイレン準備15:09→15:24774m待機15:29 →
600m通過→16:08337m通過→16:58 →乱川トラス橋17:11通過
→17:24着大滝ドライブイン
今回歩いたコース |
雑感:GPSの活用について
アウトドア用のGPSを昨年から使い始めました。高額なのですが、それなりにメリットがあります。
GPSは十分な精度を持っています。しかしベースの地図はその精度に合ってないないように思えます。
地図では直線的に記載されているのですが、GPSでは九十九折りとなっていたり、登山道があっても記載がないものが多くあります。早く同期が取れるシステムになれことが望まれます。
GPSは何れにしても、道迷いにはかなり有効であると思います。特に藪こぎ、視界が悪いおりは、個人的にはなくてはならない道具と考えています。また、ログの整理も正確で詳細にできます。
支障があるのは、筆者所有のGPSは画面が小さく高齢者には見づらいことです。邪道かも知れませんがゆっくり歩行しながらの確認などは困難です。 それにGPSの電池についてはニッカドを使い前日には必ずチャージして使っていますが、万全とは言えません。
今回867mから少し下ったところでのトラバース場所についてGPSで1月の軌跡と比較しながら
ルートを決めるべきとも考えましたが、現場の条件は変化しており、積雪の状態、メンバーの状態も代わっているのです。種々の条件を総合的に判断して決めるべきと思いました。
やはり往復する場合の基本は、要所要所に赤布を付け、道迷いのおり、歩いたルートが追跡可能とすることが必要です。ただ、赤布の付け方については、ピークの前とピークに付け方角も確認できる様にすることや、後から見えやすい位置に貼付することなどには配慮できますが、現場で適切に対応することは大変難しいもので、かなりの経験が必要と思われます。
今回の堂木沢山を歩き、登りの尾根コースを少し整備すると、観光的な登山コースになるかも知れないとY講師が言っておられましたが、同感です。一方、このまま冬のみの登山の山として残して欲しい気もします。最も、そうなるかどうかは分かりませんが。