この縦走路は北蔵王縦走路と呼ばれ,刈田、熊野岳を中心とする中央蔵王から名号峰を挟んで北南雁戸山の北蔵王を歩くコースです。地質ははじめは安山岩、安山岩質火山砂から名号峰では花崗岩とマサ土に変わり、また、雁戸山では安山岩に変化しています。
歩く距離は、15Km程度となり、南蔵王縦走より若干長いようです。はじめは馬ノ背をほとんど水平な移動をして、熊野岳への道を分けるころから登りとなります。
馬の背出発点 |
馬の背でメンバー |
この日は熊野頂上付近に雲がかかっていましたが、その雲があるところではかなりの強風が吹いておりました。
熊野避難小屋から自然園へ向かう、上部は雲 |
特に熊野岳の避難小屋付近では耐風姿勢の練習ができる程の強風でした。
とても今日は縦走はできないのでは無いかと思い。講師に聞いたところ、この様な、気象条件は雲のあるところだけで、雲のない標高に低いところでは、風はほとんど無くなるとの話でした。
避難小屋から少し下ったところで講師と別れ、自然園へ大きい安山岩の登山道を下ります。
はじめは霧の中でしたが、徐々に晴れ遠くに雁戸山とその奥の二口山系の山々が望める様になりました。
熊野岳から自然園への途中で雁戸岳方面を望む |
そして風も弱くなり、あのあつい日差しが戻ってきました。
講師の話では、「航空機が雲の中を飛行したとき、乱気流により機体が揺れるのは雲の中で風が吹いていることによるもので、雲の中は風が強いのは常識です」とのことでした。
さて、自然園までの縦走路にはエゾオオヤマリンドウ、ヤマハココなどが見られます。ふりかえると熊野岳が雄大に見えました。
程なく自然園、かもしか温泉跡への分岐の追分に着きます。再びふりかえると熊野岳から東に伸びるかもしか尾根ロバの耳が見えます。そして五色岳、大黒天などが続きます。
熊野岳を望む |
追分けで |
遠くロバの耳、五色岳方面を望む |
その後は、左エ門沢に落ちる崖の上を、我々温泉への分岐まで歩きます。この辺まで来ると、登山道の石も安山岩から花崗岩に変わります。少し登って、西側が開けると、マサと御影石の広場になり、直ぐ名号峰になりました。
名号峰山頂から、遠く南北雁戸が八方平を挟んでみられますが遠いのです。急な登山道をおりるとダケカンバやミズナラの森を歩くようになるのですが、きれいに刈り払いがされて歩きやすい道です。昨年までのレポートを見ると倒木があったり歩きにくいとされていましたが、問題は無いと言えます。
しばらく視界のない歩きが続き、そろそろ飽きてきた頃、西側の視界が開けたガレ場に出ました。ここは安山岩の石と火山灰土です。そこから直ぐに八方平避難後やです。避難小屋の周辺は花盛りでウメバチソウ、エゾオオヤマリンドウ、ウスユキソウなどが咲いておりました。
イワウメ |
エゾオオヤマリンドウ |
少し遅くなった昼食後、避難小屋前で写真を撮って再び歩きはじめます。
八方平避難小屋前で |
蔵王ダム方向への道を分岐してから南雁戸山への登りにかかります。長い下りになれた体にはそれ程きつい登りではないのですが、大変です。
八方平から南雁戸山を登る |
南雁戸山から北雁戸山への降り口は、安山岩の岩に間を下りです。しばらく緊張しますが、展望はすばらしく眼下には蔵王ダムなどが見えます。岩場にはイワインチンの黄色の可憐な花が、鞍部にはトリカブトが怪しく咲いていました。
南雁戸山を振り返る |
南雁戸山から北雁戸への途中の岩場でイワインチン |
南雁戸山から北雁戸山を望む |
北雁戸山の頂上手前で笹雁新道への分岐を経て、頂上です。
北雁戸頂上でメンバー |
頂上からは蟻の戸渡りを眼下に見て、山形神室山・仙台神室山が間近にその奥に大東岳と面白山などの二口山塊が見られました。
北雁戸さんから蟻の戸渡りと前山 |
蟻の戸渡りを迂回する道ができたと聞いていましたが、確認できないので昔の道を歩きました。当初カケスカ峰を有耶無耶の関跡経て笹谷峠目指したいましたが、時間も遅くなることから山形コースを降りました。
長い長い山の散歩でしたが 静けさの中 心のリフレッシュができました。
コースは、刈田駐車場~馬の背~熊野岳手前避難小屋~ロバの耳分岐
(ここから北蔵王縦走コース)~自然園~名号峰~八方平避難小屋(こへんが最低鞍部)
~南雁戸山~雁戸山~笹谷峠駐車場
GPSに散歩履歴を示しました。
南から北へ単純ですが長いコースです。 |
メンバー:写真のとおり縦走7名、講師は送迎と熊野避難小屋まで
天気:晴れ 登山月日:2012.9.18