2013年7月18日木曜日

熊野岳から中丸方面と丸山沢上部の花畑を歩く

 6月20日久しぶりの好天なので蔵王の芝草平を歩くことにして、ゆっくり仙台を出発しました。
順調に蔵王エコーラインからハイラインへの分岐にある駐車スペースに着きましたが、芝草平の花のシーズンなので、駐車できるスペースはありません。
 南蔵王縦走路の案内板の前には多くの登山者がおりました。
仕方なくハイラインに入り、熊野岳周辺と中丸山方面を歩く事に急遽変更しました。
中丸山は地蔵山、熊野岳 、刈田岳と同様粘性の高いマグマの溶岩円頂丘とされております。

刈田岳の駐車場は、時間も早いこともあり車の数は20台程度でした。
天候は期待したほどではなく、近くの山は、見えるのですが、吾妻、朝日、飯豊連峰など
は全く見えません。それでも、馬の背からは、エメラルドグリーンのお釜が見えました。
馬の背から五色岳とお釜、宮城県側は天気は良いようです

馬の背から熊野岳方面への登山者は数人でしたが、熊野岳から中丸山への道では誰とも会うことはありませんでした。
熊野岳から中丸山へは、始め鳥海山鉾立からの道と同様石畳となっており、山形県側の登山道整備の姿勢に感心させられます。


熊野岳から少し下りた石畳の道から中丸山。

其処から下ると低木の林に入ります。そして道の脇には種々の高山植物が見られます。

マイヅルソウとイワカガミ








イワカガミ
アオノツガザクラ
コバイケイソウ

さらに、しばらく行くと木道に変わり歩き易くなり、深い谷となっている仙人沢とその向こうにエコーラインと南蔵王の山が見えます。

中丸山へ尾根の歩道橋
仙人沢とエコーライン側の溶岩台地、その向こうに南蔵王連峰が見られた

その頃から黒い雲が見られ天気が急変するのではと思われるようになり、引き返すことにしました。
ハクサンチドリ(紅紫と白)

ナナカマド奥に見える仙人沢の砂防堰堤
ミヤマヤナギ?

昼食は、熊野岳山頂神社前の小屋の中で、食べることにしました。
小屋の中には数人の先客が食事をしておりました。その方々にまじえて頂き、色々な話しをしながら楽しい食事となりました。その折も話題となったのが、山形・宮城県の高山植物保護についての標識の設置状況の差異についてでした。ここにも大きな差があるようです。

食事後は、山頂から丸山沢上部に歩いて見ることにしました。

正面が丸山沢、 左が遅くまで残る雪渓、右がロバの耳


6月11日に歩いた丸山沢を思い出したからです。そして、かもしか尾根(ロバの耳)コースから気になっていた丸山沢上部のピークを見たいと思ったからです。



岩場から正面が烏帽子岳、右が五色岳
そのピークと思われる大岩の所には足下の高山植物に影響が無いように、岩や砂礫のところをあるきました。
ガンコウランの中で咲くイワカガミ

大岩にはイワカガミが並んで咲いていましたし、近くのカレバでは咲きかけのコマクサに合うこともできました。
岩場の棚のイワカガミ

一輪だけ早く咲いていたコマクサ


歩いた日:2013:06:20 天気:晴れ
参加者:1人
歩いた軌跡:GPSの記録のとおり

コースタイム:9:24刈田駐車場(1723 m)→10:16熊野岳頂上→10:30低木帯(1739 m)へ→11:06中丸山への道折返し地点(1617 m)→11:56熊野岳山頂避難小屋12:21→12:53丸山沢上部ピーク(1767 m)→刈田駐車場
歩いた標高差:400m 距離:9.1km

2013年7月10日水曜日

不亡山のタカネバラを味わい尽くす

 不亡山は別名、御前岳ともよばれる。この御前とは貴人や高位の人、またその妻の敬称とされて
おりますが、この山の長老湖方面からの姿は、まさに気品を感ずる三角の美しい山です。
 昨年も6月末に不忘山~南屏風岳~屏風岳~杉が峰~前山~刈田岳~大黒天へ縦走し、南蔵王に咲く花の種類の多さと美しさに感動しました。その感動を再び味わいたいと思い、先週7月2日、タカネバラが咲く花の山を歩いてきました。
 7月2日の天気予報では梅雨晴れ間が望めると、天気予報を信じて登山したのですが、期待した程ではありませんでした。
 
■硯石から

 硯石からは元南蔵王キャンプ場の中を進みます。

辺りはコナラやカラマツなどが見られますが徐々にダケカンバなどに代ります。道は標高800m付近まではゆったりとした登りですが、其処から1100m付近までは少し急となります。その後再び勾配が緩くなり、1200mの部分的なガレバを登る辺りから急坂となりますが、余り疲れを感じることは無いようです。登山道の付け方が良いのかも知れません。
 花は、黄色のニガナが中心ですがコントラストがハッキリしているオダマキに出会うことができました。

少し登り森林限界に近づくころ、控えめなウラジロヨウラクが見られます。

 黄色いペンキが現れるシロバナニガナが岩の所で見られました。

直ぐ近くにはウスユキソウが咲いています。

コメツツジはそろそろ終わりでしょうか、数少ない白花が印象的です。

足下にはニガナとマルバシモツケソウです。ミヤマヤナギも綿毛を飛散させていました。

■山頂稜線へガレバの花
 標高1300m付近のガレバにはナナカマドが早くも?色づいていました。

更に100m登るとカラマツソウの白い繊細な花弁に疲れを癒されます。程なく今回の目当てとしているタカネバラに合うことができました。

これまで不亡山頂近くで何回か見たのですが、何時もはっとするほど美しいハマナスです。「高貴」「華麗」何と表現したらよいのかすばらしい花です。
 標高1500m付近でコースを外れ、更に歩きにくい火山礫の上を静かに進みます。

風が強いためか樹高は低いのですが、健気に頑張っています。

 その近くには、イワベンケイと思われる草がありました。


そして、砂礫の中の緑の島にはタカネバラとウスユキソウが近接して咲いているのを見つけました。

  暫くガレ場を登って鉛沢の上部、不亡の碑の南側の稜線の下で昼食をとりました。

食事後は、鉛沢上部を横断して冷水沢のを進み、不忘山頂の直ぐ南にでました。


■不忘山山頂から南屏風方向へ
   間もなくして山頂に到着しました。

               
お天気の良い日は南には長老湖が光って見えますし、遠く吾妻山が南西には飯豊連邦、西には朝日連邦、しの北に月山まで眺望できますが、今回は残念ながら見ることができませんでした。頂上北側の小ピークも霧の中です。



 頂上を通過し花の多い南屏風岳との鞍部に向かいます。このころから南屏風岳へ続く稜線がやっと見えきました。


 そして、真っ白なハクサンイチゲ見ながら、下りにかかるとユキワリコザクラの小さな株が見つかりました。
 




 直ぐ下から小学生が列をなして登ってきます。その早さに驚きました。我々もその集団に巻き込まれないように方向転換をして再び不亡山頂上に戻りました。
 
 下山は硯石へ一般的なコースを歩きましたが、そのコースにも我々を見送るようにタカネバラが沢山咲いており、天候が今イチでしたが、不亡山の美しい花を満喫できた「フラワートレック」となりました。


コースタイム:2013/07/02 8:22硯石登山口発(標高743 m)→9:55第一のガレバ休憩(1204 m)
→11:11一般ルートから短縮ルートへ(1518 m)→11:51昼食(1591 m)12:13→不亡山頂上(1705 m)→12:56折り返し点(1689 m)→13:04山頂→13:16不亡の碑(1649 m)→13:22尾根端休憩(1617 m)13:31→15:17硯石登山口着
GPSの軌跡:

天気:曇り  メンバー:講師、他2名


2013年7月7日日曜日

入梅の最中、復元中の旧関山街道(峰渡りの道)を歩く

4月に峰渡り全コースを歩くことにしていたが、関山隧道から県境の尾根に登り、そのまま尾根を北に進み峰渡りコースの交差点から、山形側へ下りるコースを歩きました。
今回は、宮城県側の峰渡りコースを国道48号の直ぐ側にある坂下番所跡から宮城県側の峰渡りを歩きました。
  
国道48号の下、広瀬川上流部の犬走りを歩くメンバー
スタートは、関山トンネル宮城側手前にある雪よけ隧道脇の駐車スペースから広瀬川に下り、川沿いに河原や犬走りを歩き、番所付近で徒渉し、番所跡からです。
  番所跡には、「坂下境目御番所跡の標柱」があり、並んで「関山新道開削殉難の碑」があります。

坂下番所跡の標柱

近くには花崗岩の標柱もあります。

 ここから関山旧国道のヘヤーピンカーブまでの中間までは、峰渡りの街道跡が分かりづらく、
急坂を登らなければなりません。昔は恐らく九十九折りの道があったと思われます。
番所跡から旧関山街道までは分かり難く、急坂を登る

 旧国道から尾根の街道までは法が崩れ、ロープが付けられていました。法の上に登ると、街道の
跡があり、其処を少し下ると道は曲がり、崖の所で終わっています。
旧道ヘアピンカーブから尾根の旧街道間の崖、ロープが頼りだ

峰渡りの道は昔の跡が残されており、整備のされたとのことで、歩くのに不自由はありません。
       
峰渡りコースに咲くヤマツツジ
ただ、枝が張りだしている所とか、笹に埋もれている所もあります。、
   
標高750mからは急坂で笹の藪
  短い間隔で赤テープが木々の枝に付けられており、迷うことはありません。ところが、標高750m付近から峠の峰に至る道は急坂で笹に埋もれた場所もあり、歩き難く、街道が通じていたとは思えません。吉岡一男監修「新・仙台の散策」宝文堂 平成2年においても「この峠付近は急峻であったため駄送が不可能で、背負子と呼ぶ人力運送に依存」と記載されております。峠地点も街道跡を感じられる所ではないように思えます。
峠付近

 峠から山形県側に少し歩き、再び峠に戻ると、講師からトランシーバで連絡があり、面白山への縦走路コースに迂回したので、其処まで下りるよう指示がありました。
 峠からその方向に向かう途中、縦走路と登ってきた道の間には笹原が広がりその周囲に灌木が取り巻く状況が見られました。

 縦走路までやっと辿り着き、メンバーと再開後、直ぐかなりの藪中をトラバースして峠に登る急坂の途中に出ました。少し下ると、急坂に取り付く前に、講師とメンバーが進んだ踏み跡を確認できました。
トラバース後登りのコースに合流


コースタイム:9:15国道48号駐車場発→9:41坂下番所跡→10:02旧国道尾根道への崖→11:03峠への急坂手前→11:15関山峠(峰渡り)11:23→11:36縦走路引き返し点・藪漕ぎ始め→11:53藪漕ぎ終了コース合流→12:40坂下番所跡→13:06駐車場着



歩いた軌跡:GPSのとおり
旧関山街道を歩いたコース軌跡と峠付近の詳細軌跡
天候:曇り 日時:2013年6月30日(日) 参加者:講師、他5名