須金岳は、西を山形県、北西の一部で秋田県、北に岩手県に接する鬼首温泉郷にあって、荒雄岳を中央火山丘とする鬼首カルデラの北部外輪山の一つです。
南東側は荒雄川に、北側は皆瀬川に浸食され、南・北面とも急峻な地形となっています。
江戸時代、鉱山が開かれ素鉄(すがね)が掘られた。それが山名の起源といわれていますが、金も採掘された様です。
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須金岳は頂稜の山で盆地から一気ににせり上がる |
須金岳については、鬼首には中学生の頃、禿岳山麓にスキーの練習に何度か訪れておりましたが全く注目しておりませんでした。その後今から20年程前、幻の軍沢ダムのアセスメントで近くを歩いていましたが気に留めることはありませんでした。
しかし、宮城県の登山ガイド本では、栗駒山の次にこの山の案内されているおり、県内の山ではブナも豊かで最も自然が残され、登山口から頂上までの標高差もトップクラスとされておりました。
何時か歩きたい山と思っていましたが、なかなかその機会はありませんでした。送られて来たメールを見てやっと歩けると大変喜びました。ただ今回も体力には自信がない状況から大森登山口から頂上そして寒湯沢登山口を廻るは無理ではないか、大森登山口のコースを往復できればと考えていました。
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旧国道を秋田方向に進み直ぐ右の仙北沢林道に入る |
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林道が仙北沢に架かる橋を渡ると登山口 |
天気予報では、午前中は晴れ、午後から曇って、夕方から雨とされておりました。山のことですから天気は早めに悪くなると想定し、早めの行程にしなければと思いました。天気の変化は実際のところも予報どおりでした。
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一合目 |
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尾根の立派なブナ |
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3合目 |
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4合目 |
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途中頂上稜線が見える |
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水沢森から頂上へ |
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水沢森から稜線が見える |
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8合目付近から禿岳方面 |
さて、登山前の打ち合わせで、講師の車と筆者の車⒉台を利用することにしましたので、当日は講師が大森平から上ノ台(寒湯沢登山口)に車1台を移動し、そこから登り途中で合流することになりました。
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間ノ岳のナナカマト |
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間ノ岳?須金岳頂上標柱(熊の跡が) |
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参加したメンバー |
ところが、頂上で予定が変更され、一部のメンバーは往路を戻ることになり、3名が予定通り寒湯沢登山口に降りることになりました。講師は筆者の車のキーを持ち、寒湯沢登山口に移動させることになりました。
この事と寒湯沢登山口に降りるメンバーの身体的トラブルによりパーティー全体の活動に問題が生じました。
講師との連絡は、山中で携帯電話が通じない事を考え、計画書に記載のアマチア無線の連絡周波数を使う事になっていました。しかし、講師のリグは車載されており、寒湯沢登山口に駐車している車まで行かないと連絡をとることはできない状況でした。それでも途中、無駄だと思いながらも何度かコールしましたが応答はありませんでした。そのうちに、他局が使用し煩くなったことから、一時電源を切る状態になりました。
一方、携帯のスマホは、電池の消耗が激しく5合目頃からは作動しなくなりました。その間にも、メンバーの状態は心配される状態になっていました。下山が遅れ講師が心配する事は分かっていましたがどうする事も出来ませんでした。
やっと、1合目を過ぎ省電力無線機に連絡がありました。しかし、音声は途切れ途切れで通信状態が悪く、また、杉の植林地と分かる以外の位置情報はなく、その情報を的確に報告することは出来ませんでした。
種々思う所はありますが、予定を変更した場合、それに対応した連絡方法を吟味、設定しておく事の重要性を痛感しました。
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雪崩地上部から荒雄岳を望む |
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雪崩地上部の稜線を寒湯沢へ歩く |
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稜線にあるミニ湿原 |
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雪でねじ曲がったブナ |
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稜線上のダケカンバ |
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九合目(仮の頂上) |
其の様な状況で、このコース周辺の植生や地形などに注意を払うことは、できませんでした。ただ、主稜線部東に切れ落ちた雪崩地や3合目下のやせ尾根でのクロベは宮城県では殆ど見られない素晴らしいものでした。
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見事なクロベ |
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寒湯沢登山口の標柱 |
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須金岳案内図(すっかり暗くなった) |
コースタイム:
8:50仙北沢登山口→9:02一合目→9:11二合目→9:41三合目→9:59四合目→11:24水沢森→11:26七合目→11:40八合目→12:02九合目→12:10間ノ岳12:56→13:04雪崩地・上稜線→13:26小湿原→13:36九合目仮の山頂(尾根からの下り始め)→13:55八合目→14:08七合目→14:34六合目→14:46五合目→15:17三合目→15:36二合目→15:53一合目→16:22寒湯沢登山口
GPSの軌跡
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須金岳を仙北沢登山口から寒湯沢登山口への軌跡 |
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