22日は仙台のマンションからは秀麗な不忘山や屏風岳がはっきりと遠望できるのに、前日何故あんな天候だったのか。その落差に驚かされる。
気象条件にもよるが、蔵王の地理的位置と地形によるもので、強烈な吹雪と霧が樹氷の素材であるのだから、時にその様な厳しい天気になるのは仕方がない。
21日の気温は氷点下8度、風速は分からないが20m/秒程度と思われる。メンバーは
Y講師、Kさん、Sさん、OさんとW氏の5名である。
ロープウエイを降り、直ぐ輪カンジキを装着し、歩きたしたが視界は十数メートル程度で
不良、取りあえず地蔵様にお参りに行き証拠写真を撮影した。
地蔵さんと撮影 |
その後、ロープウエイの近くまで少し戻り地蔵山頂上に向かった。
標識柱を確認しながら歩いたが、顔を西に向けるとフードの中に雪が音出して吹き込む。
顔の雪のあたる部分が痛い。それでも樹氷も鑑賞しなくてはと思い、時々は西に向けた。
樹氷の中を歩 |
ほどなく地蔵山に到着、そこで予定の熊野岳まで進むべきかどうか検討した。
その結果、講師のY氏は天候と我々の技術を考慮し、熊野岳へ散策は断念すると判定、
頂上で撮影後、樹氷の間をとおり、吹雪よけをしながら鑑賞もして、ロープウエイの
近くまで戻った。
地蔵山山頂で |
戻った時刻は、10時を少し過ぎた時刻で、未だ時間があるので、周辺を散策することにして、まず、コーボルトヒュッテを探すことにした。しかし明確な位置が分からず、三宝荒神山に変更し、磁石と赤布を付けながら慎重に動きはじめた。
三宝荒神への斜面は、ハイマツやシャクナゲの低木が自生しており、その上の積もった雪の上を歩くと足がすっかり入る位陥没する場所が多くある。このため種々苦労させられたが30分程で何となく高い丘陵にたどり着いた。
明確な表示のある頂上は種々探したものの見つからなかった。諦めかけた頃、偶然ベンチを認めた。その近くを探すと所謂エビの尻尾を纏ったモンスターがあったのでそれを丁寧に取り除くと三宝荒神山と書かれた案内柱があらわれた。
三宝荒神山頂の案内指標 |
三宝荒神山 |
帰りも陥没に悩みながらも赤布を回収しロープウエイ乗り場まで戻った。
コース:GPSの軌跡のとおり。
散策の軌跡 |
雑感:新田次郎「冬山の掟」文春文庫に”蔵王越え”という短編がある。白いガスの中ぴちぴ
ちと音を立てる吹雪に耐えて歩きながら、この小説を思い出した。
なお、蔵王の気象や樹氷について 安斎徹氏が 「蔵王山の樹氷」を
http://www.touhoku.com/00x-11-06at-zaou.htmに掲載している。大変参考になる。