その後も機会があればと行きたいと思っていましたが、数年前から登山禁止とされ、もう歩くことはないと思っていました。
駒草平付近からロバの耳と熊野岳を望む |
それでも何時かはこのコースを歩きたい。強い願望を持っていました。
その理由は、コースは正に「げに山の王者蔵王(「蔵王に歌う」から)」を感ぜられる最も魅力ある内容を持つものだからです。
内心では何時まで登山禁止にしているのかな。少し対策をして解除したらどうかとも思っていました。
その様なこともあって数年前からこのコースを登ったWebの履歴を見ておりました。すると何人かの方が、自己責任で歩いていることが分かり、講師に計画をお願いして、やっと歩くことができました。
今回は天候にも恵まれ、本当の蔵王の魅力を味わうことができました。
コースは蔵王連邦の中では最も新しい火山が連なる、シンボルのお釜がエメラルドの水をたたえている地域にあります。
スタートは賽の磧の駐車場から散策路をノリウツギ、ウラジロヨウラク、ヨツバヒヨドリ、ネバリノギランなどが咲く中、ヒヨドリ越えの降り口の北西方向に向かいました。
散策路のネバギラン |
散策路ヨツバヒヨドリ |
ところで、以前から気になっていた古くなった電線は、経年劣化と植物に隠され目立たなくなっているようです。
簡易舗装の道を二十数分歩くと昔かもしか温泉まで荷物を運搬していた索道の支柱に辿りつけます。そして、その辺がヒヨドリ越えへの降り口となっています。
ヒヨドリ越えのオダマキ |
ヒヨドリ越えを電光石火降りるのですが、途中にはオダマキなどが咲いていました。花が美しいと見とれ楽しんでばかりとはゆきません。濁川が近くに大きい石の崩落箇所がありました。各自一定距離を置き、注意しながら通過します。
濁川に架かる新しい橋 |
かもしか温泉跡近くの丸山沢でサンカヨウ |
その分岐からは、身長以上に高く茂った草の中、跡地に残る土台基礎を探しました。なかなか見つけられなかったのですが、噴気口方向への道の脇に見つかりました。講師は、あそこが檜のお風呂があった場所など説明をしてくれました。
講師とかもしか温泉白雲山荘の土台跡 |
その後再び分岐に戻り、東北大佐ェ門小屋方面に向かったのですが、ヒヨドリ越えに雲が発生。天気悪化が懸念されたことから、早めに尾根に取り付くことにしました。
尾根取り付きコースは、以前とは異なり噴気口近くから東端の尾根に取り付くように付けられており、落石が起きやすい小さい谷を通過しなければなりません。ただ、個人的な感覚としては、禁止前のコースより危険度が増したとは思われません。
登山は自己責任と危険に対応できる技術と経験にもとづく的確な判断する力を必要とします。そのことを十分考慮すべきと思います。
ガレバを越えて一休み |
次ぎに現れるのは、比較的固い石と砂礫とを合わせた登りです。慎重に安全を確保しながら通過します。この急坂が終わると視界が大きく開け、濁川から駒草平、不帰ノ滝が見えるようになります。
露岩している尾根で小休止 |
尾根歩きは快適で、植物の写真を撮ったり、景色を十分楽しみながら歩きます。
倒れていた道標 |
ロバの耳と丸山沢源頭と動物の形の岩 |
そして駒草の群落が見られるようになると、ロバの耳のドームへの登りとなります。
ロバの耳からは五色岳と振り子沢などの荒涼とした景色とこれから登る熊野岳、7月末にも残る丸山沢源頭の雪渓、名号峰から青根・我々温泉に続く山並みが見渡せます。極めて爽快で、何時間でも留まりたいと思うところです。
ロバの耳の頂きに立つメンバー |
ロバの耳から尾根を一度下る |
熊野岳への最後の岩場 |
何時も写真で見慣れているお釜・五色岳が角度の変わった新鮮な景観となっており、それに気をとられている間に、傾斜の緩くなってロバの耳・かもしか温泉跡を導く道標に着きます。
五色岳と奥に刈田岳 |
五色岳、お釜と馬の背 |
名号峰からの縦走路へはオノエランやハクサンチドリの咲く中を少し北の方に向かい、その後縦走路を熊野岳分岐まで戻り、熊野岳を経由し、馬の背を通って刈田岳駐車場に戻りました。
熊野岳のオノエランとハクサンチドリ |
馬の背からお釜を望む |
天候:薄曇り
GPSのルート 記録 |
コース時間:
賽の河原駐車場8:40→ヒヨドリ越え降り口9:18→濁り川渡橋9:50→
10:49かもしか温泉跡着→左右衛門小屋方面引き返し点10:42→
かもしか温泉跡発10:56→11:31尾根1318 m地点(昼食)11:48→
ロバの耳頂13:17→急登終わり休み13:59→14:45熊野神社14:53→
15:26リフト降り口15:34→刈田駐車場15:55
雑感:GPSの記録が、かもしか尾根に上がって乱れました。何かあるのでしょうか?
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