馬ノ神岳の山名由来を少し調べてみましたが、良く分かりません。
ネットからは①七日原の開拓期は馬の産地であったのだろうか? 牧場の上にある目立つピークを馬の神にしたのか? 遠刈田温泉から一望できる、真っ白い馬のたてがみの如く伸びた東尾根の雪稜を見て、「馬ノ神」の由来となったと考えている推論や、②白石方面から眺めて馬の背に見えるからなどです。
形から由来は分かるのですが、名に神がついているいることを考えると昔の民間信仰の中で農耕馬の守り神「馬頭観音」を祀った山。それからその名がついたのかも知れません。山頂にその痕跡があればと期待されますが。
一方、林木育種センター 東北育種場 織部 雄一朗によれば、DNA分析による研究結果から、馬ノ神岳のカラマツをカラマツの変種(ザオウカラマツ)として扱うとし、その保護がなされております。登山道はその観察路として整備されていると聞きました。従って頂上までの道の整備はされなかったようです。
さて、今年2012年の蔵王の山の散歩は1月の不忘山に始まりました。
4月の後烏帽子岳、7月には南蔵王縦走、かもしか尾根から熊野岳そしてお釜と五色岳、9月には北蔵王縦走などです。
レビューすると蔵王連峰で、宮城県側に残されている主要な山は、水引入道と馬ノ神岳となりました。そこで、講師に秋山沢の紅葉狩りを兼ねて両方を一日で歩く企画を願いました。
ところが、前述のとおり馬の神岳に登る道がなく、勿論水引入道との間は藪漕ぎの他は通過する方法はないとのことでした。
それでも、講師は情報を集め分析したところ何とかなるとの結論を得て、登山が企画されました。
しかし、登山当日は、低気圧に伴う前線が通過し悪天候となると予想され、当日現地での種々検討の結果、水引入道へのアプローチは諦め、馬ノ神岳を歩くことになりました。
白石スキー場駐車場端の案内板 |
神嶺林道から白萩林道へ分岐の案内 |
車2台で白石スキー場から神嶺林道を北上し、1台は水引入道からの下山口に止め、1台は更に白萩林道を通り馬ノ神岳の登山口までゆくことになりました。
ところが、白萩林道の途中から路盤が洗掘され深い溝があり、やっと登山口に辿り着ける状態でした。
登山口前の駐車スペース |
北限のカラマツに関する説明板 |
登山口にはやっと2台の乗用車が止められるスペースがあり、植物群落保護林 馬ノ神岳カラマツを示す立派な看板があります。道はこの裏側から始まります。
天気ははじめ風が強いものの曇りで、雨は降っていませんでした。
紅葉の中から後烏帽子を望む |
時折木々の間から錦をまとった後烏帽子が見え雄大さとブナ林に心が癒されます。ゆっくりと里山の散歩道が続きますが、30分位で田代沢の上流部に着きます。
登山道から田代沢 |
沢を渡って直ぐに道はつづらとなり、急坂となります。道は刈り払いはなく、笹に埋もれており歩き難い状態です。8月に登った川桁山に似た感じです。雨の降ってきて、急いで雨具を装着しました。
休みも合わせて約1時間15分ぐらいで尾根の上の広場にでます。
登山道の終点・尾根の上の広場 |
道があるのはここまでですが、西の方に赤テープが低木に付けられています。勿論藪の中で道はないのですが何としても山頂に行きたいと思い、その標しをたよりにチャレンジしました。
赤布を着けて藪を漕ぎながら頂上へ |
藪こぎは、予想よりは楽で標しを追いながら進み頂上付近に着くことができました。
頂上付近のメンバー |
しかし、その付近には何の標識もありません。天気の良くないし、写真だけを撮って戻ることにしましたが、今後のためと思い、水引入道へのルート調査をしたいと考えて、少し水引入道方向に移動した。そうしたら足下に頂上を示す木の標識が地面に埋まった状態で見つかりました。そして、よく見るとその近くに簡単な小さな標識が見つかりました。
土に埋まった頂上標識と下側の小さな標識 |
それに、その付近でアオモリトドマツと思って写真を撮りましたが、林木育種センター 東北育種場 織部の林木遺伝資源としての北限のカラマツ-馬ノ神岳カラマツ天然林についての報告を見るとどうも北限のカラマツではないかと思われました。
もしかして北限のカラマツ?? |
一方、馬頭観音さんが祀られていた痕跡は分かりませんでした。今後・・
下山は、雨で滑る上に倒木など歩きにくい状況で、何度か転倒してしまいました。
帰途林道の荒れに改めて何とかならないかと思ったところでした。
コースタイム:2012/10/23
8:48白萩林道奥の登山口→9:23田代沢出合→10:37登山道の終点・尾根の上の広場→
11:01馬ノ神岳山頂→11:25着 標高1474 m付近昼食11:39発→12:33白萩林道奥の登山口
メンバー:講師、受講者 計8名
天気 :曇り時々雨
馬ノ神岳散歩ルート(登山口まで車) |