しかし、昨年は3.11の大震災で山元町も津波で大きな被害を受け、太平洋に広がる浜の形が大きく変わってしまいました。海岸林はありませんし、もう浜の街も民家もありません。常磐線も亘理町までで、山元町では残骸が残るだけです。
その様な状況を考えると、気軽に深山を歩くなどはできなくなり、昨年は訪れる機会を逃してしまいました。
深山は、地元で古くから『シンザンさん』と呼ばれ親しまれてきた山です。大人も子供も安心して歩ける自然観察路が整備され東屋、休憩所などの整備されています。自然が豊かで野鳥や植物などの観察にはもってこいの場所です。
何故、この様に自然が豊かなのか、疑問に思っていましたが、どうもこの山の成り立ちにその要因があったようです。
深山は南北に長い尾根をひく亘理地累(わたりちるい)山地と呼ばれる中に位置します。角田盆地側と亘理・山元側がが断層でずれ落ち、中央部が残った帯状の山地です。
この山地は西側の角田側をが冷涼とする代わりに、東側を暖かくしタマアジサイ、フサザクラなど多くの貴重種もたらしたとされています。
6日は常磐自動車道の山元ICから県道244号をとおり深山と四方山の間の明通峠を越えて角田側の県道28号をに阿武隈山地西側を南下し、内町溜池を通過して馬船峠から鷹討山(タカブスヤマ)経由で深山を歩きたいと思っていたのですが、馬船峠は通行止めでした。
仕方なくさらに南下して小斉峠を越えてアップルラインに戻りましたが、角田側と山元側の気候の差は実感出来ました。
登りのスタートはアップルラインに接する深山山麓少年の森の駐車場から、深山神社の西側の尾根に取り付き少年の森の整備されたコースの上を歩きます。
深山山麓少年の森から少し登った林 |
道は歩きやすく前を見ていると快適ですが南側は人工的に刻まれた痛々しい溝を見られます。
暫くすると、「駒がえし」への分岐の標識がありますが、そのまま「ちごゆりの丘」の方向にむかい、下りになる前に西の方向の道に進みます。
「ちごゆりの丘」との分岐からかやの狩り払い道へ |
暫く行くとかやを狩り払った道となります。その道を登るとかめいしコースに合流できます。かめいしコースは駒がえしコースとは違って変化が少なく人気は無いようですが、「鹿落ち坂(ししおちさか)」など急坂もなく比較的に楽に登れる道です。
コース途中の亀石 |
山頂からは、津波の被害から復興に取り組む海岸平野とその向こうに開ける太平洋を眺め、鎮魂と再起ができるよう祈念し、帰りは、駒かえしコースをゆっくり戻りました。
西側角田側を望む |
山元海岸から街そして仮設住宅が見えます |
観察路案内板 |
コースタイム:少年の森(標高25m)発14分→駒かえし分岐(標高51m)3分→ちごゆりの丘分岐(標高73)9分→亀石コース合流点(標高105m)32分→深山頂上(標高287m)10分→展望台(標高265m)→少年の森50分 : 登り2.03km 下山2.3km
天気:晴れ 参加者:2名
GPSによる深山を歩いた軌跡 |
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