2013年6月18日火曜日

蔵王峩々温泉から花崗岩の山・名号峰を歩く

 デジタル大辞泉の解説によれば、「名号とは仏・菩薩(ぼさつ)の名とされ、これを聞いたり唱えたりすることに功徳(くどく)があるとされる。」と記されています。
 その名号の名をいただく峰は蔵王連峰の中にあっては良く特徴がなく目立たない山とされております。確かに熊野岳が北に裾野を伸ばす端に、こぶのように見える峰なのです。往時は青根から熊野・刈田岳に登られた折りには意識された峰であったと思われますが、現在は山岳観光道路のエコーラインからも遠く、かもしか温泉が雪崩でなくなってからここを訪れる登山者が激減していると思われます。
 しかし、名号峰は火山の蔵王連峰にあって唯一の花崗岩からなる山です。頂上付近の土はマサ土で御影石が点在しています。他の山頂とは異なり何か明るさを感じられる峰です。

 今回は、その花崗岩が広く分布しているコースを歩きました。


歩きはじめのシェルター脇駐車スペース
濁り川に沿う林道
登山口は、峩々たる険しい断崖に囲まれ一軒宿の”峩々温泉”と濁川を挟んで南側、エコーラインからの道路がシェルターに入る手前から発する林道です。其処には車が数台駐車できるスペースがあります。
                                                      


             
                 
                      
                 
                 
                   
       

 
霧の立ちこめる中歩き出すと直ぐに濁川を渡ります。


 
濁り川にかかる端
濁川はこの辺では深い渓谷の様になっています。林道はその後濁川に沿って西に進みます。所々崩壊した崖の下に石が積み上がっており、林道まで転がっているものもあります。約70分で濁川へ丸山沢が合流する前、コンクリートの堰の上を渡渉します。水深は10cm程度で今回は問題なく通過出来ました。








丸山沢が濁川に合流する前の徒渉
路肩に昨ベニバナイチヤクソウ
 












林道はそのまま西に延びているように思えますが、かもしか温泉跡への道は右側の草むらをかき分け、丸山沢に沿って進みます。ところで、丸山沢命名は、旧制二高出身の登山家であった丸山氏の名前からと聞きました。命名当時、色んな思いがあったようです。
林道から丸山沢に沿う登山道に入る


丸山沢と花崗岩
 この辺りの沢には御影石(花崗岩)が見られますが。その中数度渡渉をして進みます。赤布が残っているのでそれをたより進みますが、途中で進めなくなりま す。GPSで確認すると地図の登山道は丸山沢の北側20~50m北側に記されています。地図表示との乖離は多少仕方がないのですが、この辺の通過は事前に 統一した正確な赤布などの情報がないと難しいように思えます。整備が必要と思います。
東北大学左ェ門小屋

 さて、講師が路を探してくれました。その路を進むと程なく 賽の河原端・ヒヨドリ越え下り口からも赤い屋根が見える東北大左ェ門小屋、そしてかもしか温泉跡に辿り着きます。

 
ミネズオウ

アオノツガザクラ
ここから追分け向けて九十九折りの登りと なります。路は1450mの高度で左ェ門沢の上部の雪渓を渡り方向を北西から北に変え、追分けまで続きますが、予想外に長く感じます。
丸山沢上流部の雪渓前

追分けは北蔵王の縦走路と山形市宝沢への路が交わる所で、蔵王東側の景色が見られる場所ですが霧の中です。ここで遅い昼食をして、一息を入れ名号峰に向かいます。

追分でメンバー
昨年は刈り払いの前で多少歩きにくかったのですが、既に綺麗に刈り払われ快適な路になっていました。

 峩々温泉への路は名号峰への路の手前100mで分岐します。先ずは名号峰に向かいます。

名号頂上手前で
頂上手前で西側が開け花崗岩地帯に見られるまさ土の所を歩きます。そろそろ頂上かと思う頃花崗岩の露岩が現れ標識が現れ頂上です。
名号頂上

残念ながら昨年は見られた雁戸山などの北蔵王方向の展望は全く得られません。本来であれば南無阿弥陀仏を念ずるところですが、霧の中そして時間遅れの心配もあって写真を撮って直ぐ引き返すことになりました。





ダケカンバ、ブナ、ミズナラが美しい






 そして、北蔵王縦走路から分岐して青根温泉へ延びる尾根を下りはじめます。はじめは藪を刈り払いした穏やかに下る路です。

峩々温泉へ下る

それを過ぎるとダケカンバなどが目立ちはじめ、やがてミズナラやブナの大木が現れます。路は殆ど尾根を進みますが、ところどころで尾根の下をトラバースする様になり、その部分に急なところがあります。
猫鼻での標識

峩々温泉からの登り口

大部歩き疲れたころ休みをとりましたが、少し50mぐらい先に「猫鼻」がありました。名前の由来は山の根っこの端を間接的に意味しているようです。猫鼻からはつづら折りの路が延びています。
最後の足にきく路です。約30分程で峩々温泉施設群の屋根が見え、やっと安心です。


コースタイム:9:11登山口(峩々温泉濁川対岸の雪よけシェルター近く駐車場標高GPS記録771m)
→10:22 丸山沢出合い(973 m)→11:13左ェ門小屋(1096 m)→11:23かもしか温泉(1138 m)
→12:35追分(1500m)12:58発→13:18名号峰(1490 m)→13:23縦走路・峩々温泉分岐(1475 m
)→14:17猫鼻分岐(1134 m)→14:47峩々温泉登山口(799 m)
 

峩々温泉から名号峰を廻った軌跡

天気:曇り
参加者:講師、他7名(内3名全コース歩き)

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