その名号の名をいただく峰は蔵王連峰の中にあっては良く特徴がなく目立たない山とされております。確かに熊野岳が北に裾野を伸ばす端に、こぶのように見える峰なのです。往時は青根から熊野・刈田岳に登られた折りには意識された峰であったと思われますが、現在は山岳観光道路のエコーラインからも遠く、かもしか温泉が雪崩でなくなってからここを訪れる登山者が激減していると思われます。
しかし、名号峰は火山の蔵王連峰にあって唯一の花崗岩からなる山です。頂上付近の土はマサ土で御影石が点在しています。他の山頂とは異なり何か明るさを感じられる峰です。
今回は、その花崗岩が広く分布しているコースを歩きました。
歩きはじめのシェルター脇駐車スペース |
濁り川に沿う林道 |
霧の立ちこめる中歩き出すと直ぐに濁川を渡ります。
濁り川にかかる端 |
丸山沢が濁川に合流する前の徒渉 |
路肩に昨ベニバナイチヤクソウ |
林道はそのまま西に延びているように思えますが、かもしか温泉跡への道は右側の草むらをかき分け、丸山沢に沿って進みます。ところで、丸山沢命名は、旧制二高出身の登山家であった丸山氏の名前からと聞きました。命名当時、色んな思いがあったようです。
林道から丸山沢に沿う登山道に入る |
丸山沢と花崗岩 |
東北大学左ェ門小屋 |
さて、講師が路を探してくれました。その路を進むと程なく 賽の河原端・ヒヨドリ越え下り口からも赤い屋根が見える東北大左ェ門小屋、そしてかもしか温泉跡に辿り着きます。
ミネズオウ |
アオノツガザクラ |
丸山沢上流部の雪渓前 |
追分けは北蔵王の縦走路と山形市宝沢への路が交わる所で、蔵王東側の景色が見られる場所ですが霧の中です。ここで遅い昼食をして、一息を入れ名号峰に向かいます。
追分でメンバー |
峩々温泉への路は名号峰への路の手前100mで分岐します。先ずは名号峰に向かいます。
名号頂上手前で |
名号頂上 |
残念ながら昨年は見られた雁戸山などの北蔵王方向の展望は全く得られません。本来であれば南無阿弥陀仏を念ずるところですが、霧の中そして時間遅れの心配もあって写真を撮って直ぐ引き返すことになりました。
ダケカンバ、ブナ、ミズナラが美しい |
そして、北蔵王縦走路から分岐して青根温泉へ延びる尾根を下りはじめます。はじめは藪を刈り払いした穏やかに下る路です。
峩々温泉へ下る |
それを過ぎるとダケカンバなどが目立ちはじめ、やがてミズナラやブナの大木が現れます。路は殆ど尾根を進みますが、ところどころで尾根の下をトラバースする様になり、その部分に急なところがあります。
猫鼻での標識 |
峩々温泉からの登り口 |
大部歩き疲れたころ休みをとりましたが、少し50mぐらい先に「猫鼻」がありました。名前の由来は山の根っこの端を間接的に意味しているようです。猫鼻からはつづら折りの路が延びています。
最後の足にきく路です。約30分程で峩々温泉施設群の屋根が見え、やっと安心です。
コースタイム:9:11登山口(峩々温泉濁川対岸の雪よけシェルター近く駐車場標高GPS記録771m)
→10:22 丸山沢出合い(973 m)→11:13左ェ門小屋(1096 m)→11:23かもしか温泉(1138 m)
→12:35追分(1500m)12:58発→13:18名号峰(1490 m)→13:23縦走路・峩々温泉分岐(1475 m
)→14:17猫鼻分岐(1134 m)→14:47峩々温泉登山口(799 m)
峩々温泉から名号峰を廻った軌跡 |
天気:曇り
参加者:講師、他7名(内3名全コース歩き)
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