2012年6月6日水曜日

初夏の安達太良連峰箕輪山・鬼面山を歩く

 箕輪山の名の由来は定かではないが、箕は穀物の脱穀、選別、調整、運搬に使用される農具です。箕の文字は、本来、「其(き)、基」とともに「四角」を意味するとされています。
また、箕輪は、日本国語大辞典では「中部地方以東で、砦(とりで)を中心に発達した村をいう。突出した丘の周囲を取り囲んだ村落が箕の形に似ているところからいう。」と記載されています。筆者が勤務していた宮城県名取市高舘の農業試験研究機関の近くにも箕輪と名付けられた場所がありました。その場所は今熊野神社が祀られている丘陵の北台周辺地域でした。
個人的な推測ですが、箕輪山の名は、丘陵先端の三面が急崖となっている山の形から由来しているものと思われます。
 箕輪山は安達太良連峰の一峯で、標高は、1728mで安達太良山や鉄山よりが高い山です。
野地温泉から鬼面・箕輪山を望む

今回の登山口は新野地温泉口と野地温泉口を吟味の結果、後者とされました。これらの温泉は高度1200mにあり開放的な単純硫黄泉で白濁した野天風呂に人気があります。
旧土湯峠へブナ林の中を登る

 さて、野地温泉ホテル東側の登山口から若葉のブナ林をしばらく登高します。ブナ林を過ぎ旧土
湯峠に近づく前に雪渓が現れました。今年は雪が多いと聞かされていたので、箕輪山までには数多くの雪渓通過を覚悟しなければと思いました。
実際は箕輪山頂上直下の雪渓横断のみでしたが。

峠に近づくと犬を連れた登山者がおりました。私的ですが、我々の八嶋講師が先日のブログで書かれていたくろがね小屋付近での事件を思い出し、少し警戒してしまいました。もっとも犬には口輪がされており、しっかりリードが付けられておりました。
旧土湯峠にて

峠から北西方向に無線の二面の反射板が、東南に鬼面山は良く見えていましたが、箕輪山山頂は雲の中でした。鬼面山までの稜線は風も強くメンバーの殆どはフード付きのウインドブレーカーを着用となりました。
鬼面山からも雲に隠された箕輪山を

鬼面山山頂からは、北の方向に吾妻連峰が雲の間から望まれました。鬼面山からは石の点在する中を急降下します。そして、深く剔られた溝とその縁を歩くことになります。その山道に嫌気がさした頃雪渓が現れます。アイゼンは着用せずに蹴りこみながら慎重に通過しました。
箕輪山山頂直下の残雪に近接して登るメンバー

箕輪山頂上手前で昼食をとり、再び赤土粘土質の溝を歩きます。やっと平坦になり、岩が出てくると山頂です。
箕輪山から鉄山・あだたら山頂を望む

三角点は東に設置されているようですが、雷雲が東側に見られるようになったので、記念写真を撮って、逃げるようにヒメコマツやシャクナゲの間を箕輪スキー場横を横向登山口へと降りました。
箕輪山山頂でメンバー

その山道は鬼面山から箕輪山の間よりは荒れてはいませんでした。途中から横向温泉スキー場への山道を探しながら降りたのですが、県道70号線(福島吾妻裏磐梯線)まで降りてしまい。道路歩きとなりました。高森川渡ったところの送電線巡視路を旧土湯峠を目指して天気が好転し直射日光を浴びながら消耗する250mの登りでした。峠で一休みし、新野地温泉へとブナ林を辿って下りました。

登山日は 2012年5月29日、参加者 7名
天候  曇から晴れ
コース・タイム
野地温泉登山口8:37-9:02旧土湯峠9:06ー9:48鬼面山9:54-11:50箕輪山11:55-13:37横向登山口13:39-14:34旧土湯峠-15:06新野地温泉登山口-15:09野地温泉登山口  総距離 : 11km
コース軌跡はGPSのとおりです。
野地温泉から箕輪山を歩いた軌跡(GPSから)

雑感:昨年地元紙に「山岳愛好家らで作る「高山(たかやま)の原生林を守る会」は、福島市周辺の山岳地帯から採取した雪の放射線量分析し、特に箕輪山東斜面で高濃度の放射性セシウムが検出したとの記事が掲載されました。恐らく今年も高い値で推移していると思います。
この様な心配な状況を作り出した政治家と原子力村は今必死に原子力発電所再稼働に動いています。そんな余計なことはしないでまともな心があるなら、福島の除染作業で汗を流すべきでしょう。

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