2012年5月5日土曜日

古地図には「えぼしがた山」と描かれた蔵王の烏帽子岳

4月19日の「TOI 山の展示会」展示作業後に
八嶋講師から、「天気が良ければ後烏帽子岳からの屏風岳は素晴らしい」とのコメントに、24日の登山コースは、山の展示会を開催する森の写真館から後烏帽子岳を目指すことにしました。
森の写真館「山の展示風景の一部」

後烏帽子岳へは以前秋に観光道路から股窪・ろうづめ平を経て頂上に至るコースを歩きましたが、このコースははじめてで、特に雪の上を歩く今期最後のチャンスと期待しました。。

スキー場からはリフトが運休中で、4月19日の展示の微調整もあったため、スキー場の無限軌道車で森の写真館のある石子ゲレンゲまで送っていただきました。
森の写真館と無限軌道

登りのスタートは森の写真館から石子ゲレンデを登り、更にチャレンジコースを登って、かもしかリフトの終点までたどり着きます。
忘れていましたが、つぼあしでは不安定なので今回はアイゼンを装着しています。
チャレンジコースを登る


ゲレンデを登りはじめて講師から直ぐ、方向変更の折り返しでの足の位置について指導がありました。「足をクロスさせてはダメで、ハの字キックターンを行うように」とです。このアドバイスの詳しい理由・内容は先日講師著作(2012年)「中高年のための安全登山のすすめ」河北新報出版センターを参照してください。

1時間ほどゲレンデを歩き、かもしかリフト終点から、赤布を付けながら登りはじめました。暫くアオモリトドマツの樹林帯を歩き高度を上げてゆきます。途中スキーの案内標識のような数字の書かれた円形の板が確認できました。

一休み・参加メンバー

程なく前烏帽子岳とスキー場の間の小阿寺沢上部の尾根を歩くようになると頂上です。
頂上は雪が無く、岩が露出していました。山頂は冷たい風が吹き、残念ながら屏風岳をはじめ周囲の山々の標高の高い部分は雲の中でした。ただ、ろーづめ平から南側に広がる秋山沢は、紅葉の錦の華やかさはないのですが、墨絵の深い味わいを示しておりました。
後烏帽子岳から屏風岳・水引入道方面を望む



食事をしながら雲が晴れ、屏風岳から水引入道・馬の神岳につながる雄大な景色が広がるのを
期待し待ちましたが、写真に示すとおり屏風岳の全容は望めませんでした。
勿論、途中他の登山者と会うことはなく静かな山の散歩を楽しむことができました。帰途は付けた赤布を回収しながら順調にえぼしスキー場の駐車場まで降りることができました。

コースは、GPSの軌跡のとおり、その時間は以下のとおりです。
 
えぼしスキー場ゴンドラ終点(森の写真館)9時10分発→10時20分着 かもしかリフト終点休憩10時28分発→ 11時6分着 標高1525m休憩 11時18分発→11時49分着 頂上(1681m)食事 12時21分発→12時32分着1525m 12時37分発→12時57分着  かもしかリフト終点休憩 13時13分発→えぼしスキー場ゴンドラ終点(森の写真館)13時51分着


雑感:

この後烏帽子岳などが属す蔵王は、七世紀、天武天皇の代に大和国吉野の金峯山にあった蔵王権現を祭り、古くから修験道の山として知られたと言われています。
以前から、その金峯山(きんJきんぷさん)の日本最大秘仏・金剛蔵王権現を拝観出来ればと思っていました。4月中旬吉野に行く機会を得ました。
ところが我々一般の非修行者には、蔵王堂の桧皮葺換えの時(約60年に一度)ぐらいしか開帳されていないので、拝観は一生無理かなと思っていましたが、幸運にも仁王門大修理のため特別開帳がされておりました。
からだの青。大地を高く蹴り上げ、逆立ち乱れる頭髪。口の両端から刃のように突き出す牙。
ことごとく悪魔を払う忿怒の形相を現している釈迦如来、千手観音菩薩、弥勒菩薩を本来の姿とする変化身と言われるご本尊金剛蔵王権現三尊を拝観できたのです。
蔵王権現の前で東日本大震災について祈りました。
蔵王山に祭られる蔵王権現については、「山に伏し、野に伏して、自然を、そこに坐す神々を祈る」
という精神文化も有しています。山の散歩をしている者にとってもやはり興味深い哲学です。

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