2013年2月11日月曜日

樹氷を求め宮城の最高峰屏風岳へ歩く

 冬の晴れた日、自宅から西南西の方向蔵王連峰に南に白銀に輝く壁が見られます。
基盤の隆起に伴い地溝ができ、その地溝に沿って爆裂火口ができ、その壁面が屏風岳の壁面と
言われているようです。屏風岳と後烏帽子岳の間の股窪沢は地溝の跡とされています。
一方、壁の西・反対側には溶岩流によりできた広大な斜面ができています。
 今回は、講師の企画で、壁に近接した斜面のアオモリトドマツにできる樹氷を歩き、宮城県側の広大な樹氷群を見に行くこととしました。

 散歩はみやぎ蔵王スキー場澄川スノーパーク入り口にある蔵王高原ホテル近くの駐車場からはじめます。コースは澄川スキー場と大黒天を結ぶ蔵王観光道路を聖山平まで歩き、その後、井戸沢と澄川を渡り、屏風岳から延びる尾根の北端部に取り付き登ることにしました。

 観光道路は何時もことですが強風の通り道にもなっておりました。ひたすら聖山平ヒュッテを目指し歩きました。もう少しで後見ゲレンデの手前北側に北限のカラマツの再生育成地(昨年の馬の神岳を歩いたおり、北限のカラマツ自生地がありましたが、そのカラマツの保全事業のひとつでしょうか。)がありました。突然、スノーモービル先導で樹氷鑑賞ツアー客を乗せた雪上車が通過してゆきました。悪天候の中を歩く我々を不思議そうに見ている視線が少し気になりました。
聖山平へむかって蔵王観光道路を歩く

跡見スキー場付近で小休止

 聖山平ヒュッテを過ぎた付近で林の中に入りました。
聖山平ヒュッテ入り口

 驚くことに古いリフトがあります。当然ですが、既に乗り場のプラットフォームは朽ち、鋼材はすっかり錆びていますが、リフトの座席のフレームは残され、ケーブルに取り付けられたままで強風に揺れていました。このコースに入る目印になると講師から説明がありました。

かなり以前に使われなくなったリフト

 屏風岳から伸びる尾根には、其処から井戸沢を渡り、低い尾根を越えて深い谷となっている澄川を渡らねばならないのです。井戸沢は講師のアドバイスにより、雪に埋もれている所を慎重に渡りました。
 ところが、次の澄川は谷が深く流水もあり、渡渉場所を見つけることが出来ず、300m程上流へ上流へと歩くことになりました。
渡渉場所を探す

 30分位歩き、谷に安全に下れ、渡渉も可能と思われる場所見つけました。そこを下りましたが、川幅も2m程度あり、渡渉が可能か心配です。そこで、講師が渡渉可能か調べてくれました。OKがでて、何とか対岸に渡れました。
渡渉地点の直ぐ近くのなめ滝

ただ渡った後も、急な崖をラッセルしながらトラバースすることになりましたが、下を見ると澄川の流れ、上からは雪崩が発生しそうな感じでかなりの緊張した瞬間を味わうことになりました。
渡渉後尾根に取り付くまでのトラバース

 一方そのころから天気が急速に回復して、視界が開けて来ました。急坂を終えると辺りはアオモリトドマツの林に変わりました。
アオモリトドマツの林

 歩いている雪に状態は、数日前に気温が高くなり雪解けその後凍った後に降雪があったようで
当日の強風で吹きだまりとなったところの他は、ワカンは深く沈むこともなく歩きやすい状況でした。
 肝心のアオモリトドマツの樹氷ですが、少し霧氷が付着している程度でしたので、はたして樹氷が出来ているのか心配になりました。
前山・刈田岳が遠望できた 
刈田岳・五色岳を見る。手前のアオモリトドマツは樹氷になっていない

 標高を上げるに従い、見通しが良くなって、中央蔵王の五色岳やロバの耳が見えるようになり、遠くには大東岳が特徴のある形誇張しておりました。ただ、刈田峠のアオモリトドマツの群落は黒い林となって、樹氷とは思えず益々心配になりました。
 昼食後1時過ぎまで標高1600M迄登りましたが何処にも昨年地蔵岳で見たような樹氷は見られませんでした。樹氷形成に必要な気象条件が整わなかったのでしょう。今回は残念でしたが、次ぎにまた来る課題もできました。
 帰りは、登りで付けた赤布を回収しながら戻りました。

 天気:午前曇り地吹雪、積雪215cm(澄川スキー場データ)

 コースタイム:
 8:44澄川スキー場入り口駐車場発→9:11後見スキー場ロッジ9:17→10:07観光道路から井戸沢→
11:18澄川渡渉点→11:57昼食(標高1441 m)12:21→13:08引き返し点(標高1595 m)→14:01澄川渡渉→15:06観光道路へ→15:58澄川スキー場入り口駐車場着

屏風岳の北に延びる尾根を歩いたGPS軌跡

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